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2021.12.13
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【会長ブログ 「経営の勘所」 第11回】 


❖今さら聞けない「コーチング」とは何だ?(第1章)

     

株式会社日本マネジメント協会東部  会長 大内 光郎

 

Ⅰ.コーチングの語源は?

 

コーチングという言葉を耳にするようになってだいぶ経つが、ここで改めて考えてみたい。

ビジネスにおけるコーチングは、野球やテニスのコーチに単にingをつけたものではない。英語Coachの古語である「駅馬車」が語源と言われる。道は凸凹かも知れない、途中で途絶えているかも知れない、このような道や草原を走る駅馬車は臨機応変な対応(解答)が求められる。つまり、状況に合った柔軟性とか創意工夫を育む指導、自ら考えさせる指導がコーチングなのである。

 

Ⅱ.コーチングが求められてきた背景

 

一つ目は、いわゆる指示待ち族の問題があった。

 

今の若い人は小学校時分から、ああやってこうやればこうなるとか丸暗記しろとか、いわゆる型に嵌ったマニュアル的な教育を受けてきた(と言われていた)。プラモデルのように設計図があって設計図通りにやれば目的の船やら飛行機が出来上がる、といったものである。だから、創造性が弱いというか気が利かないというか、つまり指示待ち族が生まれたのである。事実、職場において、何でもかんでも直ぐ伺いをたてる部下、直ぐ聞きに来る部下が多いようだ。 

仕事が出来る上司はすぐに解答を出すし、出したがるが、結果として指示待ち族が生まれるのだ。あまり自信のない上司は自信のない解答を出し、結果として部下から信頼を勝ち取れず、その挙句、部下の教育指導から逃げてしまい自分のことに埋没してしまう。

曰く『忙しくて教育に手が回らない』と。

 

二つ目は、人員縮小の中で自立型社員が求められてきた。

 

人員縮小或いはスピード経営の時代においては、上へ上へと伺いをたてるピラミッド組織では何もかもが後手に回ってしまうし、無駄な時間を食ってしまう。だから、フラット組織が求められるようになる。フラット組織の中では、メンバー間に先輩後輩の関係があるにしても上下関係はない。横一線フラットなのである。権限は大いに委譲される。ということは、フラット組織の前提はメンバー個々の自立と協創なのである。このように、野球で言う先発完投型であるなら仕事は捗るし上司はラクなのだ。

もっとも、上司が部下指導や部門統率で何もしなくて良いわけではないことは言うまでもない。

 

 

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